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欧米に「ホストクラブ」はない⁉︎ 日本だけで異常に発展した理由 「男尊女卑」が背景?

世界の中の日本人・海外の反応

 

■欧米では一般男性が「ホスト並み」のサービスをする?

 

 国民の大多数が飢餓線上にある国、宗教的な縛りの強い国や地域、夫によるDV殺人が珍しくない国は除外して、いわゆる欧米あるいは西側と呼ばれる国々に共通するのは、レディーファーストの文化である。男女平等とレディーファーストという、一見矛盾しそうな二つが上手く共存しながら社会に溶け込んでいる。

 

 より端的に言うなら、欧米では一般男性が女性に対し、ホストレベルのサービスをしてくれる。結婚後も、「釣った魚に餌をやらない」などはありえず、アニバーサリーを大事にする。女性たちは夫や彼氏、男友達などから十分尽くしてもらっているから、ホストクラブのような娯楽施設ができたところで、需要は期待できないのだ。

 

 別の言い方をするなら、日本では女性の社会進出と男女平等が上手くかみ合わず、男尊女卑の文化も根強い。日本人女性が男性に求める「普通」がハイレベルすぎる点も問題かもしれないが、日本人男性の多くが女性に対する意識の変革を投げ出してしまうのも、やはり問題である。

 

 仮に同じ土俵でアプローチを行った場合、日本人男性は相当な訓練を積まないことには、欧米人男性と勝負にならない。日本人女性から選ばれないのだから、自然淘汰を免れることはできない。

 

 今後、悪質なホストクラブが撲滅されたとしても、日本人男性の意識が変わらないかぎり、ホストクラブ自体がなくなることはないだろう。

 

 

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過去記事

島崎 晋しまざき すすむ

1963年東京生まれ。立教大学文学部史学科卒業。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て、現在、歴史作家として幅広く活躍中。主な著書に『歴史を操った魔性の女たち』(廣済堂出版)、『眠れなくなるほど面白い 図解 孫子の兵法』(日本文芸社)、『仕事に効く! 繰り返す世界史』(総合法令出版)、『ざんねんな日本史』(小学館新書)、『覇権の歴史を見れば、世界がわかる』(ウェッジ)など多数。

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